自己肯定感を「育てる」ためにはどうしたらいいですか?とよく聞かれます。
今回はその方法の一つとして、ほめ療法を紹介します。
1.自己肯定感を育てるには?褒め療法のススメ
自己肯定感は、誰かに「あなたはあなたのままで、大事な存在だよ」と認めてもらい、肯定してもらうことで、「自分は自分でいいんだ」と自己肯定できるようになっていくものです。
だから、できればやさしく認めてくれる人がいるといいのですが、必ずしもそういう人が身近にいないこともあります。
そんなときは、「自分で自分を褒める」しかありません。
とはいえ、そんなに簡単ではありませんよね。
それは承知の上で、いくつかポイントを紹介したいと思います。
2.褒め療法の3つのポイント
自分を褒めるポイントというか、褒め療法のルールに3つあります。
- できているところを意識する
- 他人と比べない
- 「できてあたりまえ」のハードルを下げる
1つずつ解説します。
2-1.できているところを意識する
1つめの、できているところを意識する。
ポイントは、できていないところは見ないようにすることです。それでは反省できないし、自惚れてしまうのではないか、と心配される方もいるかもしれません。
褒め療法の目的は、褒めるところを見つけること、自分で自分を肯定する練習することです。
自己肯定感が低いと、自分がやっていること、できていることは見ないで、できていないところばかりが気になります。そのため、意識から外れがちな「できていること」に意識を向ける練習です。
例えば、
- 朝食をとれた
- 食器を洗った
- 洗濯した
- 散歩した
- ごみ捨てした
など日常で「できていること、やっていること」に意識を向けていくわけです。
自信がないときは、つい「何もできない」という白黒思考になりがちです。
このように「できていないことばかり」に意識が向いてしまう認知の「偏り」に気づくこととも大切なポイントです。
偏っていることに気づいたうえで、「できていることもあった」と気づくこと。無理やり「そう思うようにする」のではなく、「気づき」を得ることが目的です。
これは「練習」なので、最初はできなくて当然です。できないから練習するんですから。
1週間一つもほめるところがなかったのが、週に1つでも見つかれば、大いなる第一歩を踏み出したことになります。それが少しずつ増えていけば、それは立派な成長です。
2-2.他人と比べない
2つ目のポイントは、他人と比べないことです。
他人と比べると、どうしても他人のいいところと、自分の悪いところを比べがちです。そうすると、つい落ち込んでしまいます。
SNSなどでは、みんな自分のいいこと、自慢したいことだけ選んでアップします。本当は、みんなそれぞれ、色々うまくいかないこともあるし、大変なこともあるけど、そういうことはアップせずに、見てもらいたいことだけを厳選してあげている。華々しく見えますが、そういう他人の楽しいところと、自分のよくないところを比べてしまいがちですよね。
とは言え、他人と比べないのはなかなか難しいことだと思います。「あの人はあんなに頑張っているのに自分はダメだ…」と落ち込んでいることに気づいたら、人と比べるのではなく過去の自分と比べるのが大切です。
昨日、1週間前、1か月前、1年前の自分と比べで、色々あるけど私は私で頑張ってるよねと声をかけられるといいですね。
2-3.「できてあたりまえ」のハードルを下げる
3つめのルールとして、褒める行動のハードルを下げるのも大事です。
褒めるというと、大きな手柄、すごい結果を出さないとほめられるに値しないと思いがちです。ですが、本当にそうでしょうか。
例えば、
- 家事をしている
- 朝起きて仕事に行っている
- いつもじゃなくても食事も作っている
- なんだかんだで子どもが元気に育っている
など、こういうことも褒めていいことだと思います。しかし、自己肯定感が低いと、それが苦手です。
「そんなの当たり前すぎる」とか「みんなやってることだし」とか、「出来て当たり前なんじゃ」とそんなことで褒めるなんてそんなそんなと。
ですが、ほめ療法は「他人と比べて」できるかどうかではなく、自分で自分のできているところに意識を向けていく練習です。そのため、基準は世間とか他人ではありませんし、競争しても意味がありませんよね。
3.まとめ
ここまで、褒め療法の3つのポイントについて解説してきました。
ポイントは3つです。
- できているところを意識する
- 他人と比べない
- 「できてあたりまえ」のハードルを下げる
自己肯定感を「育てる」ためには、少しずつの方がいいのです。
小さな芽が少しずつ成長するように、1日2日では変化に気づかないけれど、1週間1ヶ月と続けると、なんとなく変わってきたかな、と振り返ってみると変化に「気づく」くらいがちょうどいいと思います。急な変化は、それだけでも負荷が大きいですし、リバウンドしてしまうかもしれません。
やわやわのんびりいきましょう。