令和6年 能登半島地震により犠牲になられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
また、被災されました皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
被災された方が、少しでも早く安心できる場所を確保できますように、私は私にできる事をやっていこうと思います。
では今回は、こういった災害時の子どものこころについて大切なことをまとめました。
この記事の内容
1.子どものこころの反応
大規模災害など、突然の異常事態が生じると、大人以上に子どもは強いストレスを感じます。
この度の大地震のような、「大人も慌てて不安になるほどの事態」が、「突然起きる」ことは、想像以上の不安でしょう。
このような時、私たちはまず「何が起きているのか」を知りたくなり、「どう対処すればいいのか」を考え、行動し、少し落ち着くと「なぜこんなことが起きたのか」を考えます。
「何が起きているのか」が分からないと、どう対処すればよいのかもわかりません。無力感は不安を強めるため、少し時でも自分なりに出来ることを探すことで気持ちが落ち着くこともあるので、まずは子どもの年齢に応じて、何が起きているのかを伝えられる範囲で説明してあげましょう。
その時に大事なのは、悲惨すぎる事実まで伝える必要はなく、必要な情報だけ伝えるということです。状況がよくわからない中で「〇人死亡」などの情報が流れてくると、パニックになる子もいます。テレビやラジオの情報は重要ですが、衝撃的な映像はできるだけ見ないような配慮も大切です。
また、「怖いことが起きたのは、自分が悪い子だから?」と考える子もいます。子どもなりに状況を整理し、対応策を考え、「自己コントロール感」を取り戻そうとする発想からでしょうか。
「自分がいい子になれば、また落ち着くの?」というけなげな思いの裏返しでもありましょう。「大丈夫、悪い子だからじゃないよ」と抱きしめて不安を受け止めてあげましょう。
2.いつもと違う状況では、いつもと違う反応が起きるのがフツウ
子どもは、様々な情報を理解することが難しいのと同時に、自分の気持ちを言葉で表現することも大人よりも苦手なことが少なくありません。言語化が難しいと、身体症状化したり、行動化することがあります。
身体症状化とは、お腹が痛い、頭が痛いなど体の症状として心のストレスが表現されることをいいます。本当の病気かもしれない心配もありますが、ストレスの可能性が高い時は、まずは「なでてあげる」、そして気持ちを代弁してあげることが大切です。
なでることで、自分の不安を受け止めてくれていることが伝わり、スキンシップ自体が安心感をもたらします。
「不安だよね、怖いよね」と言葉にしてあげることで、そういう気持ちを言葉で吐き出してもいいんだよというメッセージになります。子どもなりに我慢して、親に迷惑・心配をかけないようにしていたのかもしれません。
また、行動化とは、イライラして暴れたりすることです。そして災害時に時々あるのは、「再演」という現象です。
地震の怖い経験をしたり、テレビなどで見た後に、「地震ごっこ」をすることを言います。大人からすると不謹慎で止めたくなる行動ですが、ごっこ遊びの中で怖かった経験を再体験することで、逃げたり立ち向かったりして、自分なりの自己効力感や、「きっとなんとかなる」感覚を取り戻そうとしているのだと思います。
避難所など多くの人がいる前では止めざるを得ないかもしれませんが、自宅で人目を気にしなくてもいい場所であれば、ムリに止めずに「遊びの中で」気持ちを吐き出させてあげましょう。
3.いつも通りできることは、いつも通りに
異常時こそ、平常通りの日常を送れるならば、そうしましょう。緊急避難時は別として、「いつもと同じ」を意識することが、「安心」を意識することにつながります。
好きな食べ物を食べられること、いつものゲームができること、普段通りに寝ることなどの、「ルーティン」が、心身の安定となります。
お気に入りのぬいぐるみやグッズを持ち歩く、いつも聞いている音楽を聴く、など五感に「いつも通り」の刺激を与えることで、脳も安心しやすいはずです。
4.現実世界に逃げ場がないときは、非現実の世界へ逃げるのもアリ
東日本大震災のときの反省を踏まえでしょうか、令和6年能登半島地震時は、テレビも比較的すぐに平常の番組を放送しています。ずっと災害の情報や映像ばかりだと、過剰に不安になりメンタル不調をきたす人も少なくないため、メディアとの付き合い方も調整する必要があります。
このような非常事態時は、あえて動画やゲームの世界に逃げるのもアリでしょう。現実逃避は、悪いことばかりではなく、心を守るために必要なことでもあります。落ち着かない子には、一時的に動画やゲームの時間制限をゆるめてあげてもいいのではないかと思います。
1日でも早く、安心出来る環境に戻れることを願っています。
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