ちょっとしたことで怖がって大騒ぎする、うちの子繊細すぎて疲れる…正直めんどくさい…そんな風に悩んでいませんか?
あまり大きな声では言えませんが、私も何度となくそう思いながら育てています…
今回は、そういう子に対して、何を考え、どう向き合っているのか、我が家の場合をご紹介します。
この記事の内容
1.【HSC】うちの子繊細すぎてめんどくさい…そんな風に悩んでいませんか?
1-1.HSCとは?
HSCとは、1996年にアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が発表したHSP(Highly Sensitive Person)の概念の子ども版で、Highly Sensitive Childの略です。
生まれつきとても敏感な感覚や感受性を持つ子どもたちのことをいいます。
我が家には5歳になるHSCの息子がいます。そんな息子の対応に疲れる…と感じてしまうのはこんな感じです。
- ちょっと注意しただけ(怒ってもいない)なのに、拗ねたり大泣きをする
- こうしたら?とアドバイスを出しただけで癇癪を起こす
- 服のタグや肌触りに敏感で着られる服が限られる(学校の体操服や制服が無理な場合も)
- 味覚も敏感で偏食がひどい
- ちょっとした物音を怖がって大騒ぎする
- ちょっと声色が低かっただけで、ママのその言い方がこわいの!と言われる
- 少しの怪我で大騒ぎする
このような些細な日常の一コマであっても、毎日毎日繰り返されまもうめんどくさい!と大声で言いたくなることもよくあります…
1-2.子どもがめんどくさいのは、きちんと向き合えている証拠
そんなHSCですが、まずお伝えしておきたいのは、親が「めんどくさい」「疲れる」と思うような姿を子どもが親に見せられているということは、ものすごいことです。
なぜなら、HSPの私がHSCだった頃、親を困らせるなんて絶対にやってはいけないことの1つだったからです。
親の表情や声色をこれでもかと察知し、少しでも雲行きが怪しくなれば、先手を打ってお手伝いをしてみたり、わざとふざけて道化を演じたりしていました。
だから、そうするのではなく、ありのまま、わがままを言えるなんて、すごいことなんです。親がちゃんとその子と向き合っている、自己肯定感がしっかり育っているとも言えると思います。
まずは、そんな風に子育てしてきた自分自身を褒めて認めてあげて欲しいなと思います。
子育てハッピーアドバイスの明橋先生もこのように言われています。
怒ったり泣いたり、だだをこねたり、文句を言ったり、という子は、親にとってはたいへんかもしれませんが、それと日々つきあう中で、子どもの自己肯定感はしっかり育っているのだ、ということです。
「わがままを受け止めると、よけいに図に乗るんじゃないか」「悲しい気持ちに共感すると、よけいに泣き虫になるんじゃないか」と心配される人もあると思いますが、 その必要はありません。
一時的には、手がかかるようになるかもしれませんが、しっかり自分の気持ちを表現でき、受け止めてもらった子どもは、次第に気持ちのコントロールを身につけ、本当の意味で、強い心へと育っていくのです。(明橋大二著『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方』より)【1】
2.HSCの繊細さにどう対応したらいい?
心配しなくていいのはわかったけど、でも毎日のことで疲れるのも事実…どう対応したらいいのと思いますよね。
色々と試してきて、ある程度落ち着いてきたなと思う我が家の方法が3つあります。
2-1.子どもの気持ちをそのまま受け止める
息子の主張は、ついつい「そんなこと気にしなくて大丈夫」と言いたくなることが多いです。
ただ、私がHSCだった頃、1番傷ついていたのがその言葉でした。なぜなら、怖いのも、嫌なのも不快感があるのも事実なのに、それを理解されず、大袈裟、小心者と思われるように感じていたからです。
そんなこと気にしないの!と言ったところで、おそらく癇癪がひどくなるだけなので、
- そう感じるんだね
- そりゃ怖かったね
- 痛かったね
と子どもの主張をそのまま受け止めるのが1番平和に過ごせました。
2-2.心配事が現実になったとしたらどうしたらいいかを教える
息子は1つ気になり出すと止まらないことが多いです。そしてどんどん不安になっていきます。
例えば、「蜂が怖い」という時期がありました。蜂の何が怖いのか詳しく聞いていくと、
- 幼稚園で蜂に刺されると死ぬことがあると聞いた
- 蜂に追いかけられる夢を見た
- 外は蜂がいそう
- 蜂に刺されて死にたくない
- だから外に出るのが怖い
そこで、蜂はなぜ針をもっているのか、どういう状況だと追いかけてくるのか、蜂に追いかけられにくい服の色、万が一蜂に刺された時の対処法などなど、1つずつ教えていきました。
1番は、こちらから追いかけたり、害を与えなければ、蜂が襲ってくることは無いことに安心できたようで、外に出るのを怖がるのは無くなりました。
こんな感じで、HSCは不安になりやすいし、想像も膨らみやすいので、一つ一つ、実際にそうなったらどうするのか、教えていくのが不安を和らげるのに有効でした。
2-3.オープンダイアログ
最後に、オープンダイアログです。
息子が繊細なのはいつもの事ですが、それでも激しさには波があります。
- 新しい環境になった時
- 嫌なことがあった時
- 親に余裕が無い時
- 親の機嫌が悪い時
などなど、ちょっとしたことの度合いがちがったり、どこに地雷が落ちている分からないという時期があります。
そんな時に有効だったのが、オープンダイアログでした。
上記のような不安になりやすい時は、「嫌われたかも」「ぼくなんて大事じゃないんだ」と思いやすいです。どんなに大事だ、大好きだと伝えても不安がなくならないHSCには特効薬になりうる方法だと思います。
詳しいやり方はこちらにまとめてあるので、ご覧下さい。
3.まとめ
今回は、めんどくさい、疲れると思ってしまいがちなHSCの対応についてまとめました。
もうどうしろって言うの!?と言いたくなることの多いHSCの子育てですが、それだけ主張出来ているということは、親子関係が上手くいっている証拠であり、安心だと言うことをまず知って欲しいなと思います。
毎日大変ですが、子供時代に傷つくHSCが減ることを願っています。
【参考文献】
【1】明橋大二著『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方』
【参考サイト】
「良かれと思ったら逆効果」メンタル不調の子どもに絶対言ってはいけない”ある言葉”