HSCについてよく聞かれることの1つに、「どこの病院で診断してもらえますか?」というものがあります。
今回は、HSCは病院に行く必要があるのか、診断はどうしたらいいのか、についてまとめます。
1.HSCとは?病院での診断は必要?
1-1.HSCとは?
HSCとは、アメリカの心理学者、エレイン・アーロン先生が提唱した概念です。
Highly Sensitive Childの略で、ひといちばい敏感な子と言われ、5人に1人の割合で存在します。
1-2.HSCは病名では無い
子どもがHSCかもしれないと思われた理由は色々ありますよね。
- 他の子と何か違うと感じた
- 人から可能性を指摘された
- たまたま読んだ本でそう感じた
などなど。
知ったばかりの方であれば、え、HSCって何?発達障害の一種?病気?診断が必要?ときっと不安になりますよね。
ですが、HSCは病名ではありません。そのため、治療方もなければ、薬があるわけでもありません。あくまでその子の特性なので、子どもとの付き合い方を模索することが大事になります。
ただ、HSCのチェックリストも、アメリカで作られたものですし、日本語だとニュアンスの問題もあり、それだけで判断するのはかなり難しいですよね。
発達障害でもHSCでも基本的には関わり方は変わりませんが、発達障害の場合は早いうちから療育に通うことによってかなり生きやすくなると言われています。
そのため、本当にHSCなのか、発達障害ではないのか、と心配される方は多いと思うし、病院でどちらかハッキリさせたいと思う気持ちはよくわかります。
ただここで知っておいて欲しいのは、HSCは病名ではないため医学の範疇ではありません。なので、HSCにも発達障害にも詳しい医師はかなり少数派だと思います。
ですので、発達障害かHSCかハッキリさせることもなかなか難しいのが現状ではないかと感じます。
安心を求めて受診しても、なおのこと分からなくなるという可能性を知っておいた方がいいかなと思います。
どちらにしても、発達障害もHSCも本などはたくさん出ているので、まずは読んで調べて見ることをおすすめします。
2.病院を受診するなら困り事を伝えよう
それでも心配だから病院に行きたいという方は、受診する際のおすすめの伝え方があります。
それは、困り事を相談することです。当たり前のように感じるかもしれませんが、SNSを見ていても「HSCの診断をしてください」という主訴で受診される方が多いらしく、それは嫌う医師が多いようです。
病気を治すのが仕事の医師にとって、病名では無いHSCは診断もできなければ、治療法もないということで、困ってしまうんでしょうね。
HSCか発達障害かわからず、病院を受診したいと思われたということは、そう思うに至った困り事、出来事がありますよね。それを相談したらいいと思います。
逆に、HSCか発達障害かを知りたいけど、日常生活で特に困っていないという場合は、受診しなくていいということですね。
どうしても不安な方はHSCの相談実績のある臨床心理士さんをお近くの病院やインターネットで探すのがおすすめです。
3.まとめ
今回は、HSCは病院での診断が必要なのかについてまとめました。
HSCは病名では無いため、病院で診断する必要はありません。ただ、子育てでかなり困っていて、HSCか発達障害か不安、発達障害であれば早く療育を受けさせたいと思われる方は、日常の困り事を受診して相談されることをおすすめします。
特に困っていないけど、HSCか発達障害かを知りたいと思われる方は、HSCも発達障害も関わっておられる臨床心理士さんに相談されるのがいいと思います。
HSCも発達障害の子もみんなが生きやすい社会になることを願っています。
【参考文献】
HSCの子育てハッピーアドバイス