HSPの当事者研究⑧感想を求められるのがしんどい。苦手なことは克服しなくちゃダメ?

感想を求められることが苦手なHSPは多いのではないでしょうか。私もすごく苦手だったし、今も得意ではないです。

出来るなら聞いているだけの講義の方が好きだし、参加型の講義やセミナーなどは敷居が高く感じてしまいます。

HSPだから感想を言うのが苦手!ということではありませんが、割合が多い気がするので、私はなぜ苦手なのか?について検討してみたいと思います。

1.HSPの当事者研究⑧感想を求められるのがしんどい。苦手なことは克服しなくちゃダメ?

1-1.当事者研究とは?

高木のぞみ
こんにちは。HSPママの高木のぞみ(HSPmama_mibuki)です。

まず、当事者研究って何?という方もありますよね。

当事者研究とは、その名の通り、当事者自身が研究することです。ここではHSPの当事者研究なので、HSPの私が、私自身のHSP気質について掘り下げて考えてみます。

詳しくはこちらをどうぞ。

生きづらいHSPのための、生きづらさの原因を探る当事者研究とは?

1-1.子ども(HSC)の頃

HSPは生まれつきの気質なので、感想を求められるのが苦手なのは子ども(HSC)の頃からでした。感想だけではなく、授業で当てられるのも苦手でしたね。

HSCの頃はどんな感じだったのか挙げてみます。

  • 自分の番が回ってくるまでドキドキしすぎて他の人の話が入らない
  • 言うことがまとまる前に自分の番が来ると頭が真っ白になってしまって固まる
  • ふいに当てられると、どんなに簡単な問題であっても、しどろもどろになってしまう
  • 自分の好きな分野で、言いたいことがあったとしても、こう言ったらなんて思われるだろう?と不安でなかなか言えなかった

1-2.大人(HSP)になってから

HSCの頃は緊張のあまり固まるということが多かったですが、大人になると緊張するのは変わらなくてもまた違った悩みを抱えることになります。

  • 講義の感想を求められた時、話す内容が講義の内容にそっているか、講師を不快にさせないか考えすぎて訳の分からない答えを言ってしまう
  • 言ったあとで、あれで良かったんだろうか…と脳内ひとり反省会が止まらない
  • 多くの人が1番盛り上がるところで感動しているのに、その前から感動してしまうため、感想を述べる場所が人とズレガチ。え、そこ?とよく言われる

大人になった今でさえ、感想を聞かれたらなんて答えるかに意識が飛んでしまって、セミナーの内容が入らない…なんてことはいつものことで。お願いだから当てないでといつも思っています。

2.なぜ感想を述べることが苦手なのか

では、なぜ感想をまとめられるのが苦手なのでしょうか。HSPの気質は、良くも悪くも、

  • 相手のことを考えすぎる
  • 相手に嫌われることを恐れる

これが大きいのではないかと思います。

もちろん自己肯定感が低い時などはこの傾向が高まる可能性もあります。しかし、一瞬のうつむき加減とか、目の動きなどの相手の表情に加えて、声色や言葉という刺激も人一倍察知して、情報になってしまうので、不快にさせたかもしれないと不安になりやすいのはあるあるですよね。

感想を求められる時と言うのは、自分の発言に対して、相手の表情や言葉をモロに受ける時間でもあるので、HSPは苦手で当然だと思います。

また、こういう悩みを人に相談すると、多くの場合、

  • そんなの気にしなきゃいいよ
  • 誰も人の事なんて覚えてないって
  • 自意識過剰だよ

なんて言われてしまいます。特に自意識過剰という言葉は、実はかなり苦手な言葉で、グザっときます。何でだろうと考えてみると、自意識過剰という言葉からは、「自分をよく見せようと必死な感じ」を受けるからかなと思います。

私が感想を述べられた時、確かによく見せたいという気持ちがあるのは事実です。ただそれよりも、【私の言動が相手を不快にさせないか】という不安がとにかく大きいんですよね。

不安でこうなることを、いいカッコしいのように言われるのはなんだかな…と感じてしまうんだなと思います。

3.気軽に感想を述べられるようになるには?

今まで通り、感想を述べるのが苦手だとしてもなんの問題もありません。私これ苦手だし!と開き直るのもありだと思っています。

加えて、案外周りは苦手だと感じてないことも多いです。

例えばHSPのお茶会では、みなさん「話すのが苦手です」「まとまりがなくてすみません」と、本当によく言われるのですが、実際のところほとんどの方が話すのが得意そうな人が多いです。

これは、HSCの頃はともかく、社会で揉まれるうちに、内面の葛藤を隠すのは上手になるからだと思います。私も実際はいつもドッキドキですが、そうは見えていないようです。

自分が思っていることと、人に与える影響は違うんですよね。だからそのままでも、案外心配しているよりは人に不快な思いはさせていないと思います。

その上で、「感想を述べるのが苦手だと、人の集まる場に行くのがストレスでしんどい、感想も怖がらなくなればもっと楽になれるのに」と思う人もいると思います。

そういう場合はどうしたらいいのか…精神科医の夫と話をしてみました。

3-1.感想や意見をスラスラ言えるようになるために出来ること

感想を緊張しすぎずに言えるようになる方法ってあるかな?
まずはうちで家族とかに、緊張しない場面で色々話をすることかな。子どもなら、「学校で感想を求められたけど言えなかった」と。その時どう思ってたの?とか親が聞いてみて、それを言ってみるみたいな。実際に親御さんとかに「それでいいんじゃないの」とか認めてもらったり、お母さんならこんな風に思うなとほかの人の意見も聞けるし。
要するに成功体験を安全な環境で積むってこと?
そうそう、慣れっていうか。「こんなこと言ったらどう思われるかな」とか、そういうことが気になるんでしょ?そういう時に「お母さんならこう思うよ」ってフィードバックを受けれれば、自分の意見を言っても、変に思われないってわかってくるしね。そんな風にちょっとずつ慣れていけばいいわけで。
大人はどう?
大人も一緒でしょ。家族とか友達に話してみるとか。あとは緊張するなら事前に準備するなりしたらいいんじゃない?
準備できるものは緊張していたとしても別にいいんだよね。特にHSPは半端なく準備するし。それよりも突発的なものが困る。たまたま参加した講座でめっちゃ当てられたり、どう思いますかとか振られてると、頭真っ白になる。
それはもういいんじゃないの?僕も言えないし(笑)僕は終わってから「言い忘れてたんですが…」ってメールするようにしてるよ。内向型でよくある対策なんだよね。
ん?後でメールすることが対策ってこと?
そう。内向型は言うのは苦手だけど、文章は得意な場合が多いからね。
なるほど、それだと後でメールしたり、講義とかセミナーだと最後に配られるアンケート用紙に感想に書いておけばいいってことか。
うん。もう自分は口頭で意見を言うのは苦手だ、書いてなら言えると、割り切っちゃうのも大事。苦手なところで苦手なのを克服しなくていい。
パパは、医者として人前で話すでしょ?その時、感想を求めたりするけど、まとまりがなかったり何言ってるのか分からない感想がきたら困らない?
困らないね。感想を聞く人は、感想が聞きたいんじゃないんだよ。ほかに話すきっかけをもらえればいい。
なんでもいいってこと?
そう。それこそ、感想を本当に欲しい人は最後のアンケートに描いてもらえればいいわけで、講座の時は話が膨らめばいい。きっかけが作れればいいし、きっかけにならなくても場つなぎになればいいし。

学校とかだとちゃんと言えないと、先生がちゃちゃを入れてくるけど、苦手な子もいるのをそろそろわかってほしいよね。

あと、HSCは特に、うまく言えない自分を責めるから、「うまく言えなくて苦しかったね。本当は色々考えてたけど、緊張してと言えなかったよね」みたいに葛藤を抱えているのを分かってもらえると違うよね。

あ、わかる。子どもの頃ってすんごく色々考えてるし意見も持ってるんだけど、、言えないから正当な評価をしてもらえない。これが劣等感を抱えるきっかけになりがちだよね。子どものころから自分はHSCだとか内向型だとか、知っておくといいよね。
うん。周りとはちょっと違うかもしれないけど、それはそれでいいし、自分の感じているのことが事実なんだって思えれば、自分がダメなんだと思いこんじゃうことは減るだろうからね。

4.まとめ

今回は、HSPが感想を求められるのが苦手なのはなぜ?について考察してみました。

結論は、感想を求められるというのは、色んなことを人一倍敏感に受け取るHSPにとって、かなりストレスフルな状況だから、苦手で当然だと思います。

感想を言えるようになることも大事かもしれませんが、それ以上に自分は何が苦手で何が得意かハッキリさせて、苦手な分野で頑張らない、自分を責めないことが何よりも大切ではないでしょうか。

HSP、HSCの概念がある今だからこそ、子どもの頃から、自分の特性について学んでいけるといいですね。